小十郎は、顔を埋めるようにして首筋に口付けを落とした。
「ん・・・」
「実は、歯止めがきかなくなってしまいそうだったので、少し加減をしておりました」
「お前!楽しませろって言っただろ?加減されて善くなるわけねえだろう」
申し訳ありません、と困ったように笑って、唇が触れるか触れないかの位置で政宗を見詰めてくる。
「・・・っ」
その熱い瞳は、唇を求めているのだと伝わってきて。
「駄目だ、からな・・・」
政宗は気恥ずかしさから、つい耳を伏せて睨んでしまう。
「手厳しいですな」
小十郎は、頬や瞼に口付けを降らせてきた。
「ん・・・」
それはまるで、口付けをねだっているかのように思えて昂ってしまう。
「こじゅう、ろう。お前の耳は、何が・・・生える、と、思う?」
感じるところに優しく舌が触れていくのに身を捩りながらも、まだ会話を続ける。
「さて。想像もつきませんな・・・しいていえば、あまり邪魔にならない小さいものの方が良いと思っておりますが」
つ、と再び蕾の辺りを指でなぞられた。
「ふ・・・んん」
先程塗りこんだふのりが体温でぬるくなり、入口は柔らかくなっていた。
「政宗様、そんな事よりも」
「Ah?」
「先程の願掛けをさせて頂いて宜しいですか」
「・・・!!」
蕾には三本目の指が侵入しようとしているところだった。
「んあっっ!!」
身体を重ねて昂っているうちに忘れてしまっていたが、願掛けと小十郎が解釈している、あの道具の事を失念していた。
無機質な何かを入れられるなど屈辱でしかなかったが、小十郎が閨事に乗り気になるならそれで構わない、と思って承諾したのである。
「・・・やるならさっさと終わらせろ」
その小道具を、健気にも政宗の病気の為に良い事、と思い込んでいるのを否定する気にはなれない。
「・・・では、失礼する」
小十郎は傍に用意してあったらしい、尻尾を模した玩具を取り出すと、ぐいと政宗の身体を抱き起こした。
「!こじゅうろ・・・?」
そしてそのまま四つん這いにさせるように身体を反転させてきたのだ。
「んあ!」
再び小十郎の指が差し入れられて、抵抗も出来ずになすがまま尻を突き出す体勢をとらされる。
「小十郎、てめ、こんな、かっこ・・・っ」
「ご辛抱ください。固い物を入れるのですから、暴れてはお怪我をされます」
振り向き様に見た小十郎の顔は、心なしか熱に浮かされているようで、どきんと心臓が跳ねる。
自分を見て昂っているのかと思うと悪い気はせず、大人しくする事で続きを促した。
「力を抜いてくださいね」
「・・・ふあ」
先程まで三本の指を飲み込んでいたそこは、細身で短めの棒を飲みこむことなど造作もなく、あっという間に全てを収めた。
緩く物足りない刺激に背筋をぶるりと震わせると、小十郎が優しく尻を撫でてきた。
「ん・・・っ」
「願掛けとはいえ、このような無礼申し訳ありません。ですが本当によくお似合いでいらっしゃる」
小十郎の息を呑む気配が伝わってくる。
裸の体に黒猫の耳と尾。
時折揺らすように動いてしまう尻。
そして小十郎は、尻のふくらみにも優しい口付けをしてきた。
「ん・・・こじゅうろ・・・っ」
もどかしい刺激に音を上げるように名を呼ぶと、唇が尻から腰、背中、首へとのぼってきた。
そして背中を温かい小十郎の身体で覆われて、甘い吐息が漏れる。
「ふあ・・・ん・・・?」
覆いかぶさった小十郎の下腹の固いものが尻に当たっていた。
「こじゅう、ろ・・・お前、願掛けとか言いながら、随分・・・固くしてるじゃ、ねえか」
荒い吐息で振り返り、背中越しの小十郎の鼻にちゅ、と口付けた。
「いいぜ、そのまま入ってこいよ」
「・・・政宗様・・・」