もっと深く味わおうと、梵天の腰を引き寄せて自らの膝の上に跨らせて隙間なく抱きしめる。
「あっ」
「あ」
突然身体が浮いて驚いた梵天の声と、
腹に当たった小さな欲望に驚いた小十郎の声が重なった。
前を開けさせていたので露わになっていた褌は前がしっとりとして、中で形を成しているのがわかる。
「お可愛らしい・・・」
そのような痴態をみせられては、触れないでいる事などできず、布ごしに欲望を撫であげた。
「ふ・・・ああ・・・っ」
ずく、と自身の欲望が膨れ上がるのを感じ、跨る梵天もその異変に気がつく。
「あ・・・小十郎、も・・・?」
意外そうな声をだしたのちに、嬉しそうな顔をする。
「梵天が子供だからこうなってしまうのかと思ったが、お前もなるんだな?」
知識の偏った梵天は、普通の認識とは些か逆とも思える発言をした。
「梵天丸様の可愛らしい姿に・・・つい昂ってしまいました。申し訳ありません」
申し訳ない、などと思ってもないような笑顔で言うと耳の後ろや首筋を伝うように舐める。
首筋に気を逸れたところを、褌を器用にずらすと、小さな欲望を外に出した。
「う・・・あ!ヤダ、こんなの」
外気に触れて可愛らしい竿がぶるりと震えてしまう。
顔をだしたそれは、桃色に色づいていた。
「なんと・・・可愛らしい」
「っ!バカこじゅ!変な事ばっかり言いやがってっ」
ほとんど弄られた事のないような梵天のつるりとした性器は、先からたくさん蜜をだしていたようでひどく潤っている。
すりすりと上下に動かしてやると、喉をそらして耐えていた。
「ん、や、やぁ・・・動かしたら変にな、る・・・っ」
「心地良くはありませぬか?」
「気持ちよすぎて・・・ダメ、だ、は・・・んん、ぅ」
初めての強い快楽に、力が完全に抜けてきてしまう。
「失礼します」
そう短く言うと、梵天を寝具の上に横たわらせて足を持ち上げる。
「あ・・・っ」
腰のところに膝をいれて、下半身が高く持ち上がるような姿勢をとらせると、梵天の顔は呆気にとられたように固まった。
自らの欲が丸見えで、それを上から見下ろすような小十郎と目がかちあい、みるみる顔が朱に染まる。
「こんな、カッコ、ウ・・・っあああっ」
両足の膝裏に手を添えられ大きく開かされると、中心で震えている梵天自身をぱくりと口に含まれた。
「や、っや・・・あっ、はあ、は、ぁ・・・っ」
もう文句を言ったり抗う事もできずに、勝手にでてきてしまう喘ぎ声をどうにかしたいようで、自分の口を手で塞いでいた。
またその姿にも背徳的な快感を感じてしまい、梵天の身体を貪りたい衝動に駆られる。
―――馬鹿野郎、何を考えているんだ、何を!
まだ身体の小さい梵天に無茶をさせれば、傷をつけてしまうかもしれない。
そもそも問題はそこではない、主従の関係を翻すような行為だ。
だが、梵天を舐めまわしているだけでも快感を得てしまう事にも戸惑いを感じる。
自分は、今までそんないかがわしい目でみていたとでもいうのか?
「こじゅ、なんか、でちゃう・・・はな、せ・・・っ」
けれど、両足を開かされて中心を咥えられていたら抵抗しようにも無理があり、力なく小十郎の髪を掴んだまま、短い悲鳴と共に絶頂を迎えた。
「ああああっ」
小十郎の口内に放たれた欲は暖かくて、慈しむ様に飲み干した。
「ふ、はあ、な、なんで、そんなの」
何故飲むのか、という事を口にしたいらしい梵天は、息が完全に上がっている。
「梵天丸様の中に要らぬものが溜まっていたようですので、小十郎が処分いたしました」
自らの欲は棚にあげて説明すると、少しだけ安堵した表情を浮かべていた。
「本当に要らぬものだったみたいだ。それをだしたら、もう怖くなくなったぞ!」
きっともう一人でも眠れるぞ!
と得意気に笑った。
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そうか。
思えば小十郎と小さい頃から床を共にする事があったが、きっかけに至っては記憶が薄れていた。
はじまりはこの暗い物置だったか。
「今思えば、子供に随分な無体働いてんじゃねーか、小十郎?」
楽しげに問いかけると、外にいる小十郎の動揺が感じられるようだった。
「余計な事まで思い出させちまったみたいですな」
くつくつとしてやったりな笑い声を漏らすと、
「いつも求めてくだすったのは梵天丸様だったんですがね」
と負けじと対抗してくる。
あの頃から既にお盛んでしたからなあ、などと言われてムッとする。
「俺は若ぇんだよ!お前の年で、10年たっても俺についてこられるってのもどうかと思うぜ」
すると、二人して、ぶは、と吹き出すように笑った。