「お前の事、好きで、どうにか・・・なっちまう」
そう息も絶え絶えに口にすると、耳と尾が我慢できないといった様子であらわれる。
「ふ・・・っ」
それに反応するように身を捩った政宗をみたら、もうどうでも良くなった。
まだ日も沈みきっていないだとか、風呂にも入っていないだとか。
些細な事で理性を繋ぎとめようとしていた事を馬鹿らしく思う。
尖った耳の先端を口に含んで、毛繕いをするように舌をはわせると、びくびくと腕の中の政宗が反応する。
そのまま下っていくように人間の耳の方も舐めていき、穴に差し入れるように舌をいれると、甘い声がでてきた。
「や・・・っんん・・・こじゅう、ろう、おれ」
「ん?」
「こういうの、よく知らねえ、んだ・・・」
羞恥に表情を歪めて、けれど身体は正直に反応し肌がほんのり色づいている。
初めて会った夜は、酔っていたとはいえ自らキスをねだってきたくせに、実はこの手の経験がないというのだ。
小十郎は煽られて眩暈がしそうだった。
「大丈夫だ。お前の嫌がるような事はしない」
暴走しそうになる本能を抑えつつ、精一杯の優しい顔で瞼にキスをする。
「ん、Thanks ・・・けど俺は、お前と」
繋がっちまいたい
そう囁かれて、今度顔を歪めたのは小十郎の方だ。
ち。
舌打ちをして、噛み付くようなキスをして。
「あんまり煽ると手加減できねえぞ」
熱を含んだ瞳で見詰めれば、怯えさせてしまうかと思っていたのに、
「上等だ・・・本気でこいよ、小十郎」
熱に浮かされた瞳で挑発された。
必死でついてこようとする舌が愛おしい。
じっくり楽しむ余裕がなくて、性急にシャツを剥がす。
白くて滑らかな肌に目を細めて舌を這わせながら、すぐにベルトにも手をかける。
「俺ばっか、ずりぃぞ・・・っ」
「ならお前も俺の事を脱がせてみたらどうだ」
すぐに負けず嫌いな表情で手を出してくるが、シャツのボタンにもたついている政宗と既に上を裸にさせている小十郎では勝負などはじめからついていて。
あっという間に、ずるりと下着ごとズボンを膝までずり下げる。
「ア・・・!」
政宗は、ゆるく勃ち上がった自身が顔を出したことに慌て、咄嗟に手を添えて隠そうとした。
あまりの可愛い仕草に、政宗自身を口に含みたい衝動に駆られるが邪魔が入る。
まだシャツも脱がせきれていないというのに、小十郎のズボンに手をかけてきたのだ。
ベルトをうまく外せずに今度はファスナーをどうにか下げると、下着越しに小十郎に触れてくる。
「・・・っで、でけ」
あまりの張り詰め具合に息を飲む気配がするも、自分だけ裸な事がよほど悔しいようで、下着の前のボタンをはずして小十郎のものも無理矢理外にだしてきた。
へへっ、と少し満足したように笑う顔が可愛くて、互いをすりつけるように悪戯に腰を揺らす。
「ひゃ・・・ア・・・」
蜜で十分に潤っている為に感覚が敏感で、ふるりと政宗自身が動くのがわかる。
もどかしい快楽も悪くはないが、今日は小十郎も余裕がなかった。
勢いのおちた政宗の手では、いつになったら肌が触れ合えるかわかったものではない。
乱雑に自らの衣服を脱ぎ捨てて、その最中は政宗の肌を舐めまわしてやる。
膝に引っかかっていた政宗の服も取り払い、お互い生まれたままの姿になる。
「暴れるなよ?」
そう一言告げて、政宗の身体をかるがる持ち上げると、すぐ隣の寝室に運んだ。
「ば、ばか、こんなカッコ・・・!」
俗に言うお姫様抱っこのかっこうで抱えると、自分の身体が目の前に晒されている事が恥ずかしいのだろう、首にしがみついて体もなるべく小十郎の方にむけるように抱きついてくる。
けれどそれで小十郎の腹に、ぬるりと愛液を溢れさせた政宗が擦り付けられる結果になって、頬が緩む。
優しくベッドに降ろしてやろうとするが、しがみついたまま離れないので、並んでベッドに横たわった。
「恥ずかしいのか?」
いつまでも離れようとしない政宗を、くすりと笑って耳や頭を撫でてやると、
「肌がくっついてんのが心地いい」
直に触れ合う肌の感覚を楽しんでいたようで、少し顔を上げた政宗の瞳はうっとりとしていた。
可愛いことを言う。
いちいち小十郎の雄を刺激してくるようだ。
それに応えてやるように、小十郎からも政宗の身体に手を回して、余す所なく身体が触れ合うようにと脚も絡みあわせた。
「は・・・きもちぃ」
肌が触れ合うだけでうっとり感じている。
「政宗、まだまだこれからだぞ」
意地悪に笑って言えば、むっとした顔で、じゃあさっさとやれよ!と睨んでくる。