柔らかな口付けをおとすと、すぐに身体にも舌を這わせていく。

じっと耐えるように歯を食いしばっている姿を見ながら、敏感な部分をわざと思わせぶりに舐め上げれば、腰がゆれてきた。


「こじゅうろう、あんま、焦らすな・・・」


たまらなくなって懇願する顔に、


「俺も今日は焦らす余裕がないから、安心しろ」


とだけ言って、政宗の震える先端をぺろりと舐めた。


「ン・・・!ま、待て、こじゅ、う・・・!」


強い刺激に涙を滲ませて尾がせわしなく揺れている。


「そ、んなとこ、やめろ・・・風呂とか・・・」


今更風呂の事を気にし始める様子が可愛いが、そんな気持ちをくんでやれる余裕はないのだ。


「お前の体は、どこも甘い」

「っ・・・なに、言って・・・」


おもむろに片方の脚の裏腿に手を当てると、ぐ、と上に持ち上げ足を開かせる。


「ぅあっ!」

そして赤く色づいている蕾に舌を無理矢理差し入れた。


「や・・・っああぁっ」


びくびくと震えて快感の強さを伝えてくる身体を力で押さえつけて、構わずぐにぐにと舌でかき回す。


「んぅ・・・っこじゅうろう、やめ、や・・・!変になっちま、う」


もう片方の手で入口を少し広げるようにして、その周りを舐めまわせば、意味を成さない喘ぎ声ばかりがでた。


小十郎の唾液でゆるゆるに解れたそこへ指を差しいれると、途端に身体が強張る。


「や、やめ、い、いてぇ・・・」

「・・・すぐよくなる」

「む、無理」


慣れない異物感に身体を捩じらせて逃げようとする政宗の身体をまた引き寄せて拘束すると、指の隙間から手近にあった軟膏を塗りこんだ。


「う、う・・・」


少しだけ萎えてしまった政宗に指を絡めると、同時の刺激に、腰をびくんと浮かせた。


「あ・・・ア、んん」


触れればすぐに形を取り戻し、今にも達してしまいそうな程に張り詰めた。


前の快楽に意識がいっている間に2本に増やした指も難なく飲みこむようになり、声に甘さが混ざってきた。


「政宗・・・」

「・・・っ」


名を呼んでやれば、甘く腰が揺らめいて、どうやら快楽を感じてきたようだ。


「あ、ああ、後ろ・・・へん、だ・・・こんな、の」

「気持ちいいのか?」

「は、・・・ん、いい・・・」


尾が天を向いて時折びくびく、と痙攣している。

正直な尾を撫でさするとまた甘い声があふれて、尾と蕾を同時に刺激した。


「あ、そ、ソレ、やば・・・い・・・は、ア」


蕾の奥の一点をついたところで、熱にうかされるように喘いで快楽に意識を飛ばしかけている。


おもむろに、ずる、と指を引き抜くと、名残惜しそうに喘いで、不満そうな顔をした。


「俺の、いれてほしくなったか?」


限界を訴える自身を蕾に宛がうと、その熱さに腰をひきかける政宗の尻を捕まえて、先端を埋めた。


「あ・・・っん、ん」


顔が少し強張っているから、未知のものに恐怖を覚えているのだろう、けれどぐっと耐えていた。


「はや、く」


辛いだろうに、目尻に涙をためたまま強がっている。


ししどに濡れた前を擦ってやりながら、ずず、と腰を進めて深く飲み込ませていく。


「ハ・・・は、ァ・・・は」


苦しい息遣いを落ち着かせる為、前の愛撫はやめないまま頬を優しく撫ぜた。

生理的に溢れてくる涙に唇をつけると、少しだけ身体の強張りがぬけてくる。


その隙に最奥へと腰を進めると、びくりと身体が反応した。


「ひあ・・・っ!あ・・・あ、あ・・・っ」

「ここがイイのか?」

「う、や、やめ、おかしくな、る・・・ウ、アあぁ」


己の先端で刺激するようにぐりぐりとすりあげると、政宗の腰が揺らめいて、もっともっとと欲しがっているようだ。


「あ、んぁあ、こ、こじゅう・・・ろ・・・っ」

「まさ、むね」

「つながって、る・・・」


そ、と蕾に深々とささる小十郎の欲に手を触れてくる。

そして、尾で小十郎の脚の付け根や尻に絡み付いてきた。


「・・・く」


艶やかな毛並みがじかに触れてきて、ぞくぞくと刺激される。


政宗の中はすっかり解れ、小十郎を暖かく迎え入れていた。

その身体の変化に頬を緩めながら、唐突に政宗の身体を反転させた。


繋がりあったところを離さずに四つん這いになるように身体を押さえつけると、後ろから深く突いた。


「う・・・っは、あああ、んん・・・ふ、深い、こじゅ」


ぴたりと自身を奥までおさめると、背中からぎゅ、と抱きしめて首に顔を埋めた。


「こじゅ、ろ?」

「なんでだろうな・・・ずっと前から、こうしたかった気がする」


なぜそう思うのかわからない。

けれど、心の何かがそう訴えるのだ。


出会うよりもずっと前から、政宗に会いたかった。

恋におちた男の愚かな妄想だろうか?


「・・・っ俺も・・・そう、思う・・・ぜ・・・」


受け入れている苦痛と快楽の狭間で、けれども必死に伝えてくる。


同じような心境なのかはわからないが、そう思ってくれる事がひどく嬉しくて、胸が痛いくらいだった。

目の奥が熱い。


そのままの姿勢で、想いを注ぐように腰を動かした。


「は、あ、ア・・・ん、あ・・・っっ」


政宗の口からはただ喘ぐ声だけが紡がれて、耳に心地よい。


甘い声を出すところを集中してすりあげる。


「ひ、あ・・・っ」


きゅうと締め付けてくる快楽に、もう限界を感じた。


「こ、こじゅう、ろ、も、・・・は、あ・・・い、いく・・・」

「ああ、俺もだ・・・一緒、に」


速度を増して動かして、前も擦ってやると、肩がびくりと震えた。


「は、あ・・・っあ、ああぁっっ」

「・・・っ」


政宗が白濁を放ち、締め付けられた中で小十郎も熱を注ぎ込む。


どくどく、という互いの音が聞こえるようだ。

息を整えながら、後ろからそっと政宗の首筋にキスをする。


すると、顔を後ろに向け、応えるように小十郎の唇に重ねてきた。

無意識なのか、尾も腕に絡まってくる。


絡みついた尾にもキスを送り、それからもう一度唇を重ね合わせた。


胸に暖かいものが宿るような感覚に、ふと目を細め愛しげに見詰める。


すると、思い切り目を逸らされた。

背を向けた政宗の耳は真っ赤に染まっていて、尾がシーツをぱたぱたとはたいている。


「反則な顔、してんじゃねえ!」


さっきまで反則技連発の可愛さで理性をことごとく奪っていたのはどっちだ、と可笑しくなって笑った。


手に入れた拾い猫は、もうウチの猫。

生涯自分だけの猫にするのだと、心に誓っていた。



誰にも傷つけさせない。


何からでも守ってやる。




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