「すまない・・・中に思い切りだしちまった・・・」
ずるり、と自身をゆっくり引き抜くと、少しこぽり、と放ったものが出てきた。
負担をかけたくなかったので直前で外にだすつもりだったというのに、抑えがきかなかった己に自己嫌悪を感じた。
よく考えたら十も下の政宗に、こんな無体を働いてしまうなんて。
「それだけ、よかったんだろ?」
してやったり、という顔でニカリと笑われて、胸を温かい気持ちが満たしていく。
「政宗・・・好・・・「う、うるせ」」
今更何を照れる必要があるのかはわからないが、愛の言葉は邪魔をしないと気が済まないのか、また遮られてしまった。
「政宗、とにかく早めに出しちまうぞ」
「え」
「風呂の中でするか?」
「いい、自分でやる・・・!」
「お前できないだろうが」
「馬鹿にすんな!」
初めて身体を重ねた時も小十郎が指でかきだした。
出さないと腹壊すぞと言って初めて理解したものの、政宗は自分で上手く指をいれられない。
「俺がだしちまったんだから、ちゃんと始末させろ」
「俺の身体だろうが!俺がやんなくていいって言ったらいいんだよ!」
「何を恥ずかしがってるんだか」
子供に言うように意地悪に言ってやると、ぴたり、と動きを止めた。
「んだと・・・」
「恥ずかしくないなら、いいだろう」
「恥ずかしくねぇけどよ・・・!」
ならば、とぐいと腰を抱いてそっと指を埋めた。
「〜〜〜〜」
ぐっと恥ずかしさに耐えるようにしている政宗にシャワーで流してやりながら少しずつかきだしてやる。
「ふ・・・っ」
「なんだ、感じちまうのか?」
ほんの少しだけ震えている前を見てからかうと、頬に拳が飛んできて、有無を言わさずに風呂場から追い出されてしまった。
ジャーーー
と勢いよいシャワーの音が流れ、完全に閉め出しをくらった小十郎は、政宗がでてから風呂に入りなおすしかないか、と諦める。
髪や身体を洗ったりといった本来風呂場でするべき事を、一緒にしたかったのになあと、今更ながら少し残念に思った。
けれど。
身体を洗いあうだけの風呂も、最後まで言わせてもらえない愛の言葉も。
これからいくらだって機会はあるはずだ。
そして願わくば。
まだ出会っていなかった頃の、守ってやれなかった政宗の心の傷さえも、塗り替える事ができますように。
いや、塗り替えてみせる。
こんな事を言ったら、また自意識過剰と笑われるだろうか。