「ちょっ、待て。こじゅうろう・・・」

「何故です?」


「当たり前だろ、外だぞ」

「先ほど、口付けで小十郎を誘惑していたのは、政宗様かと」

「っ!」


城下に遊びに行く許可を貰う為に、小十郎の機嫌をとろうとしただけだったのだろう。

それを見抜いた上での意地悪に、政宗が不機嫌に顔を背けた。



そのままお構いなしに首筋を吸う。


「ふ・・・んん、・・・てめ、痕つけんな・・・」

「これは失礼を。・・・このようなお姿では皆がいかがわしい目で貴方様をみつめるでしょうから、つい醜い嫉妬心をだしてしまいました」


「・・・よく言う」


まだ膨れている政宗を宥めるように、今度は首筋に優しく舌をはわせる。


「ん、やめ、ろ。それ・・・っ」

「いつも、喜んでくださるものを」


にやりと笑みをたたえて首筋から耳の後ろまで舐め上げる。


「なんか、いつもと違・・・このナリでそういう風に触られんの・・・っ」

「いつもより、感じますか?」


「No!そうじゃなくて・・・男の自尊心というか、だな・・・」

「ですから、貴方様がご自分でなさった事でしょう」


「〜〜〜っ ほんとに意地がわりぃぞ・・・」


いつもの威勢がでてこなくて、悩ましげに眉をひそめる姿にも興奮してしまう。

「申し訳ありません。ですが・・・」


己が腕の中に政宗をぎゅっと閉じ込める。


「もう貴方が欲しくて堪らないのです」


脚の間に太腿を割り込ませ、より身体を密着させ昂った自身を押し当てた。


「・・・っ」


すると、同じく形を成していた政宗の昂りがひくりと動いたのが判る。


「おや・・・政宗様もこんなに腫らしていらっしゃる・・・」

「言うな!このムッツリが!!」


いつもならば、やれ抱け!いいから抱け!!だのと喚いて、きかなければ無理矢理跨ってくるくらいの政宗が、顔を真っ赤にして恥らっている。

これには我慢強い小十郎ですら限界だった。



するりと着物のあわせ目から手を差し入れると、胸の先端がぷくりと存在を主張していた。

「ふ・・・っ」


「本当に、このお姿は目の毒です。小十郎以外の者には見せてくださいますな」


鎖骨にも紅い痕をつけて、胸の尖りを押し込めるように撫でると、政宗は瞳が潤みはじめる。


「く・・・ぅ・・・っ。こじゅ・・・待て、これの帯、着崩れたらなおせねぇか、ら・・・っ」


「困りましたね。小十郎にも元通りには出来ないかもしれません」


そう言いながらも、手を休めることなく裾を割り開き奥へと侵入する。


「ま、待てって」


「・・・!」



驚いたのは小十郎の方だった。


「政宗様・・・つけてらっしゃらないのですね・・・」


予想していた窮屈に張り詰めた下穿きの感触ではなく、実際に手に触れたのは政宗の柔らかな茂み。


「・・・っ こんな格好なのに男モンの穿いてたらおかしいだろ」

「小十郎とこうなる事を予測してくださったのかと、勘違いしてしまいますな」

「・・・むっつりが考える事は、ほんと、ろくでもねぇな・・・」


悪態にも負けじと、そのまま内腿を撫で上げて翻弄する。


「ん・・・っ、だからもう、やめろ、って」


やわやわと腿を撫でるだけで、肝心なところには触れない。

焦らすような愛撫だけを与えて、政宗の口腔を責め始めた。


息があがった呼吸すら飲み込むように、深い深い口付けをおとすが、それは依然として優しいもので。

いつもの激しさがない。


けれど、的確に政宗の敏感になった上唇や上顎をなぞり、舌を吸い上げる。


「ん・・・は、ぁ・・・っ」


深い口付けを続けていると、政宗の腰がゆるゆると蠢く。


「・・・っ」


その気がないなら、その気にしてみせるまで。と言わんばかりで、小十郎は政宗が音を上げるまで焦れったい愛撫しか与えない。


「も、もーいいから、ちゃんと」

「ちゃんと、と言いますと?」

「っ・・・触れ」

「先ほどから触れております」


今日の政宗は本人が言う、“男の自尊心”とやらの為か、恥じらい深い。

それが余計に新鮮で欲を駆り立てる結果となっていた。


「そこじゃねぇだろ・・・」

「ではどちらに触れましょうか」


これ以上しらばっくれていると機嫌を損ねてしまうだろうか、と思いつつも暴走がとまらない。


「・・・っ 言わせんな!」


いつもなら、恥らえと言っても逆効果な程にはしたない言動の政宗が真っ赤になっている。

そして、内腿や尻を執拗に撫でる小十郎の手を掴むと、


「ここ・・・触って・・・」


と目尻を紅く染めて、自らの張り詰めた秘部へと押し付けた。

「!!!!!!」



若き頃の梵天丸様が降臨なされた!!

と小十郎は眩暈を感じる。


昔を思い出すような可愛いおねだりに、達しそうな程の快感を覚えてしまったのだ。


すぐに口付けは激しいものへと変化し、その水音が静まり返っている林の中に響く。

その音にすら酔いしれるかのように、淫らな姫は己が欲望を小十郎の指ごと上下にゆるゆると扱きはじめた。


「ふ・・・政宗様。お可愛らしい」


「ん・・・っ も、我慢できな・・・っは・・・っ」


散々お預けをされていた為に、欲望を吐き出したくて仕方がないようで、無我夢中で手を動かしてくる。


強い快楽に膝の力がぬけて、立っていられない様子の政宗に肩を貸し、腰を支えた。


望むように動かされたままで、握り込む手に強弱をつけてやれば、途端にびくりと震える。


「は・・・っんん・・・っ は・・・ぁ」


もう絶頂が近いのだろう、このうえなく固さを増した欲望から震えが伝わってくるようだ。

それを悟った上で根元を握り締める。




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