「は・・・ぁ、んん・・・」

「・・・そのようなお姿をみさせられては、加減できぬかもしれませんよ?」

「全く、男らしいのはどっちだ」


政宗はからかうようにして、なおも合わせた竿を両手で擦ってくる。


二つの鈴口からは透明な蜜が溢れていて、いつしか水音が混じり始める。


「あ・・・っこじゅう、ろ、すげ・・・お前ぬるぬる・・・」

「政宗様がだしてくださったのでしょう」

「ちが、お前のも・・・!」


ぐちゃぐちゃと卑猥な音が混ざると恍惚な表情で政宗が快楽を追い始める。


「性急になさるな」


そう言って政宗を立ち上がらせると部屋の奥へ連れて行く。

人払いをしてあるとはいえ、部屋の入り口でことに及ぶわけにはいかない。


「たまには月をみながらってのも趣があるかもしれねえのに」

「月を見ている余裕などとっくにないようにお見受けしますが」

「うるせ」


そして、政宗の体を横たえるのではなく、壁に追い詰めるようにして逃げ場をなくす。


「立ったままする気か?」

「お望みならば」


片方の脚を持ち上げるようにして、反対側の手は政宗の尻の割れ目を這うように滑りこませた。

再び深く口付けをすると、力が入らないのか、政宗は首にしがみついたままである。


「どうしました、手がとまってますよ」

「・・・!」


けしかけてやれば、少し悔しそうに、片手でまた二つの竿をにぎった。


「・・・ぅあ、これ、つら、い」


必死に首に手を回してしがみつき、もう片方の手で二人の欲望をこすりあわせているものの、更に小十郎が蕾に指を抜き挿ししてきたので、ほとんど膝に力が入らないようだ。


「も、寝かせろ、よ」


不安定な状態での前後の刺激に、先に泣き言を言い始めたのは政宗だった。


「立ったままいれるのではなかったのですか?」

「ん・・・ぁむり、だ・・・」

「では挿れなくてよろしいのですか?」


あまりに痴態が可愛らしくて、ついつい小十郎は意地悪を言いたくなってしまう。


「ばか、やろ・・・じゃあ、早く、いれ、ろ」


はあはあと熱い息遣いに言われて、ぐい、と己の欲望が一際大きくなる。


「あ、おまえ、これ以上でかくなんな・・・」

「政宗様は本当に可愛らしく成長してしまいましたな。このように小十郎を煽って」

「・・・もっとあの頃からお前とこうしてたかったぜ」

「無茶をおっしゃいますな。まだ性欲など芽生えていなかったでしょう。純粋で聡明で、それはそれは可愛らしい・・・」


そこまで言って、はっとした。

また梵天丸を褒めるような発言である。


ちらり、と政宗の顔をみやると、案の定眉間に皺がよっていた。


「ずりぃぞ」

「?」

「・・・お前は俺の小せぇ頃の事、なんでも知ってるかもしれねぇが、俺は小十郎の子供の頃なんか見れないんだぞ?!」

「・・・・・・・・・見たかったのですか?」

「当然だろ!」


ぷくりと頬を膨らませて、自分自身のヤキモチの次は、年の差で不機嫌になっているようだ。


「小十郎の餓鬼のころなんざ、見ても可愛くもなんともありませんよ?」

「それがいいんじゃねぇか。小さくても目つき悪くて餓鬼らしくなかったんだろうな」


政宗は自分で言っておいて、ぷ、と吹きだして笑う。

子供らしくないという点では政宗こそそうであったはずだが、と憤りつつも、小十郎は焦れてきた。


「散々性急にされていらしたのに、ここにきておあずけというのはさすがに辛いのですが・・・」


挿れる寸前だったというのに、今度は政宗が話しに夢中になっている。


「そろそろ集中していただきましょう」


ぐい、と片足を引き上げ、少し身体を浮かせるようにして先端を蕾に宛がった。


「あ・・・っお前いきなり」

「散々慣らしましたし、こちらは欲しがっているようですよ」


先端を飲み込みそうな蕾に、そっと手を這わせると、政宗のそこはひくひくと揺らめいていた。


「あ・・・っ」

「はいっても宜しいですか?」

「ん、こい・・・っ」


ぐぐぐ、と先端が飲み込まれ、とろとろに蕩けた入口はきゅうきゅうと締め付けてくる。


「ぁ・・・っは・・・あ」

「・・・っ」


身体を互いに支えていても、自身の重みで根元までびっちりと埋まってしまった。


「あああっ・・・っふか、い・・・っ」


急に全てを飲み込んだ衝撃に耐えている政宗を下から突くように揺らしてやれば、一層高い声があがった。


「や、め・・・まだ・・・は・・・っあああっ」


揺さぶると、小十郎を外に追い出すようにと政宗の腰は逃げるように動くが、すぐ次の瞬間には自分の重みで全てを飲み込んでしまい、あっという間に政宗はのぼりつめていった。


「ばか、やろ、もっと・・・ゆっくり」

「あとで、ゆっくり致しますゆえ、一度目はご容赦いただきたい」

「!・・・二度やる事前提かよ!」


政宗は抗議の声をあげながらも、戻れないくらいの昂りに大人しくされるがまま揺さぶられ、感じる所に深く当たるようにと腰を動かし始めた。


「は・・・っあ、んん、そ、そこ」

「ここが良いですか?」

「ああ・・・もっと、・・・っ」

「本当に欲しがりでいらっしゃる」


そう言って感じるところを集中的に突き上げる。


「は、ああ・・・ぅ・・・も、いく・・・!」

「小十郎もです」


部屋の中は二人の熱い息遣いでいっぱいになり、次の瞬間に二人同時に果てたのだった。


その後も求め求められ何度も身体を繋げて、結局犬も食わぬなんとやら、というような状態で今回の一件は解決したかのように思えた。





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「Hey、小十郎。お前最近男前度があがったんじゃねぇか?」

「は・・・?」

「たまに前髪が少し落ちてる時とか、最高にCoolだぜ」


政宗は一見恋人への甘い睦言のような台詞を言いながらも、むすり、と不機嫌そうにしている。


「何か気に障る事でも・・・」

「俺以外の奴からちょっかい出されたらどうするつもりだ」

「・・・・・・・・・まず、いないと思いますよ」

「いるじゃねえか、松○とか、竹○もあやしい・・・」

「そもそもこちらからぶっ潰してやりますが」


まだまだ政宗の不機嫌は終わっていないのだった。

そしてそんな不機嫌さを見ていると、何故か頬を緩める小十郎が隣にいたのだとか。




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