「もう、いい、から・・・俺は・・・っ」


政宗が息も絶え絶えに口を開く。


「早く、お前と繋がりてぇんだよ・・・っ」

「・・・っ」


思わぬ言葉に、小十郎も動きをとめた。

先程から下腹で自分の着物を押し上げているものが、また更に強度を増した気がする。


「なあ、早くそれ」


そして、あろうことか伸ばしてきた政宗の手によって、そこをするりと撫でられた。


「・・・!」

「っ・・・すげ・・・」


大きさや固さに、挿入の恐怖があるかと思ったが、政宗は少しうっとりした顔で、手を差し入れてきた。


「まさ・・・っ」

「涼しい顔して、こんなんなってるじゃねぇか」

「当たり前です」

「俺の事見て、興奮したか?」

「・・・っ」


政宗の妖艶な笑みに理性がとぶのを他人事のように感じて、おもむろに下履きをとりさった。


「すげぇ立派なもんもってやがるぜ。待ってな、今俺が濡らしてやる」


そう言うと、先程までのお返しとばかりに、躊躇いもなくそれを口に含んだ。


「政宗様、そのような事、おやめくださ、・・・っ」


温かい咥内に自らのものをうめられ、尖らせた舌が刺激をしてくる。

その心地よさに、眩暈がした。


それが長年秘かに愛し続けた人の口の中とあれば、僅かな理性も獣のような本能に塗りつぶされてしまう。


「もう、お放しくださ、い」


水気をおびた温かい咥内に、蕩けそうな錯覚がしていた。


「いれてぇか?小十郎」

「・・・はい、政宗様」


質問の答えに満足したのかようやく小十郎のものを解放すると、くるりとまた四つん這いになってこちらを振り向いた。


「・・・この方が挿れやすいんだろ?」

「・・・っ」


思わず後ろから背中を抱きしめるように覆い被さった。


「は、興奮しちまったか?」

「当たり前でしょう、こんな事をされたら」

「・・・っぁ・・・」


熱い自らの塊を、政宗の入口にそっと宛がった。


そしてその上から先程のふのりをたっぷりと垂らす。


「つめて、・・・っ」

「すぐ熱くなります」


そのふのりを中に入れるように、自身の先を少しだけ飲み込ませるようにして政宗の中を刺激した。


「あ・・・っん・・・っは・・・ぁ・・・っ」

「・・・っ」


先端だけでも政宗の入口で刺激されてじんじんと昂る。


「は、はやく、もっと奥にこい・・・っ」

「急いてはなりませぬ・・・」


は、と息をつきながらも挿入ともいえない程の浅い部分を刺激する。


「・・・もう、挿れろって」


浅い快感に焦れて直接の刺激を求めたのか、政宗は小十郎の左手を掴むと、自らの前に絡ませた。


「政宗様!」

「ぁっんん、は」


そして小十郎の手を使って自ら上下に動かして快楽を求める。


「全く・・・しようのない人だ」

「うご、かせ・・・っ」


呆れた声をだしつつも、淫らな政宗の行動にごくりと唾を飲み込んだ。

政宗の手の動きに自分の動きも加えて、竿を擦ってやる。


「は、ぁ・・・っぁ、あ」


絶え間なく喘ぐ声がこぼれて、腰が揺らめいている。


その揺らめきで、先程より少し深く小十郎のものが入り込んで、一層声をあげた。


「政宗、さま、そんなに動いたら入っちまう」

「挿れる為に、やってん、だろうが」


小十郎が政宗の前を愛撫するのに気をとられている間に手を後ろに回して、小十郎の腰を引き寄せて、尻を突き出してきた。


「・・・っ」


ずず、と中ほどまで入ってしまい、小十郎も締め付けに息を呑んだ。


蕾はすっかり熟れきっていて、抵抗なく小十郎自身を呑みこんでいく。


「んっ・・・あ、もっと、こい」

「・・・」


きゅうきゅうと絡みつく入口は小十郎の欲を煽るだけだった。

政宗の前の愛撫を続けたまま、腰をゆっくりすすめる。


「あっ・・・両方、すんな・・・っ」


政宗の中は熱くて、心地良くて、本当にひとつに繋がってしまえたら、とふやけた事を思ってしまう程だった。


「あ・・・っんん、んぅ・・・っは」

「う・・・っ」


ずくり、と奥まで進み、政宗の尻に密着した事で、根元まで入り込んだのだとわかる。


「あ・・・こじゅう、ろう・・・」

「政宗様・・・」


名を呼べば、一層きゅうと中が締め付けられた。


振り返り、口付けをせがむような仕草に、無理な体勢にも構わず舌を伸ばした。


そして耐え切れず腰を動かした。


「あ、ああぁこじゅうろ、もう俺やば、い」

「小十郎もです」


挿れたばかりだというのに、もう絶頂が近い。

上に擦り付けるようにして腰を進めると、びくりと反応して、声が上擦った。


「ぁああ、は、あ、や、も・・・ぅ、く」


言葉にならない声をあげる政宗を攻めあげて、夢中で腰を突き動かす。


「・・・んっ・・・あああぁっっ」


一際大きく身体を揺らして、政宗は白濁をとばした。

その締め付けに小十郎も中に欲望をはきだしてしまった。


「っ・・・ま、政宗様、申し訳・・・」

「ばか、謝んな」


すぐに掻き出さなければという思いから、慌てて抜け出そうとすると腰を制された。


「なあ、もっと。中に出してみろよ」

「・・・!」


荒い息を吐きながらも強気に笑ってみせる政宗をみて、敵わない、と首をふってみせた。

けれど身体は正直で、欲望がびくりと動いてしまう。


「お前の、中でまたでかくなったぜ」

「煽るのが本当にお上手だ。明日泣き言を言っても聞きませぬぞ?」

「それはこっちの台詞だこの鈍感ヤロウ。ようやくお前を俺のものにしたんだ。ゆっくり味あわせろ」


目尻を赤くして息も絶え絶えに言う言葉に、胸が高鳴った。


「お前の本当の気持ちを確かめるのは、俺なしで生きられなくなってからでも充分だ」


にやりと笑う政宗は、大方、小十郎を自分の身体で骨抜きにする事でも企んでいるのだろう。


「さあ、本当の鈍感はどちら様でしょうな」


そう言って、くい、と政宗の尻を突き上げた。


「・・・っは、ん・・・っなに言っ、て」


出会った時から、政宗しか見ていなかったのだと言ったらどんな顔をするのだろうか。

政宗が自分を好いてくれるずっと前からとっくに愛していたなんて、きっとまだ気付いてはくれない。


けれど、近くで愛を囁く事を許されたのならばいくらだって伝える機会はありそうだ。


だから今はもう少し、政宗にあわせて身体をつなぎ合わせる喜びに夢中になるのもいい、と小十郎はこっそりと思っていた。




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